世界共通の命題、味の決め手はやっぱりスープ
公開日:2015年06月30日
一杯の麺の評価を無情なまでに決めるスープ。
アジアの麺の場合はどのようにダシを取るのか。その秘密に迫ります。
追加日:2015年07月03日
中国料理のダシ汁は湯(タン)と言われ、いくつかの種類に分けられます。なかでももっとも幅広く使われ、味のベースになるのが、上湯と言われているダシ汁です。これは上級の澄んだダシ汁で、スープ料理や煮込み料理、麺料理、あるいは炒めものやとろみづけなど、いろいろな調理に使われています。素材は、ひね鶏と豚肉が基本。店によっては、火腿という中華ハムを使います。
一般的な作り方は、以下の通りです。
ポイントは、一度アク抜きをした材料をよく洗う点と火加減。沸騰させるとスープが濁ってしまうので、弱火で長時間煮込むことが大切です。
上湯に鶏肉のひき肉を加えて、さらに澄ませ、濃厚な味に仕上げたものが、最上級の頂湯です。これは、ツバメの巣やフカヒレ料理に使われます。
素湯は、精進料理に使われるダシ汁で、野菜やキノコ類などを使います。
追加日:2015年07月02日
香港の粥麺専門店の雲呑麺スープは、どれもみんなさっぱりした味です。どことなくシーフードの香りがするのは、大地魚(ダイデイユ)と干しエビがダシに使われているためです。大地魚とはヒラメ科の魚で、身がそがれた干物を使います。このほか、お店それぞれの特徴を出すため、中華ハム、豚骨、塩、砂糖、鶏ガラ、エビの卵、マンゴスチンの皮などが材料として、お店ごとに工夫されています。
スープはそのベースとなる味も重要ですが、麺や具との相性も大きな要素。このようにしてとったスープだからこそ、雲呑の味がより引き立つのでしょう。
追加日:2015年07月01日
屋台で食べるとよりおいしく感じられる麺料理。ここでは、タイ、インドネシアの屋台でのダシ取りについて、見てみます。
タイのクイティアオ屋台のスープは、澄んだものと醤油系の2通りありますが、今回は、澄んだスープのダシ取り例を紹介します。
まず材料は、豚骨、氷砂糖、パクチーの根、うまみ調味料、塩。それぞれの量は、直径56cm、高さ60cmのずんどう鍋に対して、豚骨3kg、氷砂糖500g、パクチー5本、うまみ調味料おたま1杯、塩約600gと言った具合で、これで1日分です。ずんどうに水とこれらの材料を入れ、火入れすることから屋台の一日が始まります。ちなみにパクチーの根を入れるのは、豚の臭みをとるためだそうです。
クイティアオ屋台では、この豚骨を使った透明スープが最も多いですが、他にも牛やアヒルを醤油で煮込んだものやスープに牛の血を入れたものなどもあります。
インドネシアのミーバッソは、簡単に言うと肉団子入りスープ麺で、インドネシアでは、おやつのような感覚で、食べられています。スープの基本は牛肉で、1kgくらいのブロックを2、3個、ずんどう鍋に入れています。その他は、にんにく、胡椒、塩など。スープは透明で、あっさりしているのが特徴です。
インドネシアでは、88%がイスラム教徒。イスラム教では豚肉がタブーであるため、ダシ取りに牛を使用しているのです。