担担麺

麻と辣の微妙な味わい。四川名物は秘伝のタレが決め手

坦坦麺

担担麺は、もともと麺、碗、箸、タレなどを蓋のついた桶に入れ、その荷を天秤棒で担いで、大声で売り歩いたことからついた名前です。スープは無く、醤油、唐辛子、辣油、粉さんしょう、酢、ごま油、ねぎのみじん切り、ペースト状にすった胡麻、すりつぶしたニンニクなどで作った独特のタレを、麺とよく和えて食べます。このタレにこそ、各店独自の秘伝があると言われています。

具を使わないこともありますが、豚のひき肉(刻み肉)を炒めて、甘味噌や酒などで味付けした具をのせるのが一般的です。

辛さには麻と辣の2種類があり、麻は舌を麻痺させるようなさんしょう(花椒)の辛さで、辣はピリッとくる唐辛子(辣椒。四川では海椒とも言う)の辛さを指します。担担麺は、この2種類の辛さ「二椒」を微妙なバランスで配合することがポイントであり、辛味の真髄でもあります。

四川の人々は昔から辛香を好むと言われるほど辛味好きで有名です。四川の盆地は、夏になると蒸し風呂のような暑さになります。辛い担担麺は、その蒸し暑さを吹き飛ばしてくれる大切な一品なのでした。

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