黄河で泳ぐ鯉の姿をあんかけで再現した河南省の名物麺料理
黄河の中流に龍門峡という3段の滝があり、この滝を登りきった魚は龍になるという伝説が中国にあります。川には魚が集まったものの、最後まで登りきることができたのは鯉だけでした。そして鯉が龍に化身したことから、登龍門(鯉の滝のぼり)という言葉が生まれ、「鯉魚跳竜門」の故事として今に伝わっています。以来、鯉はめでたい魚として扱われるようになったと言われています。
この魚焙麺は、そんな故事にちなみ、黄河で鯉が泳いでいる姿を再現しています。ちなみに、麺は川の中に生えている草を表しています。「鯉魚」のなかで最高の美味と自他ともに許されているのが、黄河産の黄河鯉魚で、この鯉は、頭と尾が金色で全身のうろこが光っているといいます。
鯉を最も美味しく食べるには、生け魚を殺してすぐに調理するのが最良の方法です。魚焙麺の作り方は、まず、鯉のうろこと内蔵をとり、骨まで食べられるように細かい切り込みを入れ、片栗粉をまぶしつけてカリッと丸揚げにします。麺は、龍須麺(極細の麺)を使い、歯ごたえと香りを出すために、油であげます。最後に鯉を麺の上にのせ、甘酢あんをたっぷりかけて出来上がりです。