刀状の包丁で生地をそぎ落とす、山西省独特の削り麺
山西省は北方でも麺の種類が多く、さまざまな技をこらしたものがありますが、山西省発祥の削り麺が刀削麺です。
作り方は、まず中央を凹ませて水を少しずつ加えながらかなり硬めにこねて寝かせます。刀削麺は打ち粉を使わずに直接湯の中に削りこむので、生地はよくこねてしっかりしたものにすることがポイントです。
光沢が出るまでこねたら直径20cm、長さ30cmほどの太い棒状の塊にします。これを左の手のひらにのせ肩のあたりで支え、右手には長さ15cm、幅8cm、厚みは3mmほどの専用の包丁、削麺刀(月牙刃または瓦形刃)を持ちます。この包丁は、薄い鉄板を三日月形に湾曲させたもので、柄は無く真ん中を持って使います。
そして真骨頂の削り方は、沸騰した大鍋に麺を削り取るようにして直接そぎ落としていきます。小さすぎたり大きすぎたり、分厚くならないように素早く削ることがコツで、専門の厨師による熟練の技は、ただ見事の一言です。なかでも極めつけは、頭に手ぬぐいを敷いて生地をのせ、両手に持った削麺刀で交互に麺を削り落とした名人もいたといいます。