フィリピンの麺料理(パンシット・モロ、パンシット・ログログ)

ハロハロの国では麺がおやつの定番

2016年03年27日

フィリピン

フィリピンの文化や社会を表すキーワード「ハロハロ」(まぜこぜの意味)。食についても、中国、マレーシア、ポリネシアなどの近隣諸国、そしてかつて統治されたスペインやアメリカなどの料理がハロハロになって、フィリピンならではの食文化を作り出しているようです。

とくに麺については、宋の時代から交流があった中国文化の影響が残っています。フィリピンでも麺は、長寿を象徴するものとして、誕生日の祝宴には欠かせないもの担っています。

また、麺はおやつとしても特に人気が高いそうです。たとえば、パンシット・ログログ。これはビーフンをさっとゆで、エビの煮汁でコクをつけたソースとエビ、ゆで卵、燻製魚などの具をのせたものです。また、パンシット・モロは、イロイロ地方の町、モロの名前のついた料理です。豚肉やエビを具にしたワンタンをスープで煮込んだもので、いわばモロ風ワンタンです。そのほか、野菜や肉がたっぷり入った日本のラーメンに似ているマミなど、様々な麺料理がおやつとして楽しまれています。ちなみに、このおやつの風習は、スペイン人の食習慣から受け継がれたものだそうです。

ところで、フィリピン料理全体について見てみると、ほかの東南アジア諸国と比べ、ビコール地方の食事を除いて、辛さ、スパイスともに控えめで、さっぱりしています。調味料はパティスという魚醤油とバゴーンという塩辛、ココナッツ酢などが主役です。脇役には、カラマンシーという酸味の強い果実で、搾り汁は、数多くの料理に使われます。

.