打鹵麺

東北地方一帯の厳しい冬を暖めるあんかけ麺

打鹵麺

中国東北地方は、夏は暑く冬は寒さの厳しい地です。零下20度まで冷えるそんな冬に、人々の心と体を暖めてくれるのが打鹵麺です。この打鹵麺は、とりわけ北京のものが有名です。一般には鶏肉、豚肉、卵、エビ、しいたけ、きくらげ、たけのこ、鹿角菜、黄花菜(金針菜)など具をたっぷり使いますが、正式な具は卵、豚肉、鹿角菜、黄花菜、きくらげの5種類です。それらの具材を炒めて醤油で味付けし、水溶き片栗粉を入れてとろみをつけ、さらに溶き卵を加えてドロリとしたあんを作ります。これを茹でたての麺にたっぷりとかけます。とろみをつけているので冷めにくく、寒い季節には欠かせない麺料理です。

打鹵麺は、山東省でも食べられていますが、こちらは塩味であまり具も入れず、あっさりしています。

北京では、このほか暑い夏に体を涼しくする炸醤麺(肉味噌麺)や芝麻醤麺(ごまだれ冷やし麺)などが好んで食べられています。炸醤麺は、もりそばにミートソースをのせたようなもので、冷たい麺と糸切りの野菜を黒みがかった肉味噌でからめて食べます。これまやはり北京の代表的な麺料理と言ってよいでしょう。

このように北京の人々は、それぞれの季節にあわせた麺料理を楽しんでいます。

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